ウェブはバカと暇人のもの を読んで

ウェブというものがよくわかっていない。
ブログを書くことに何の意味があるのだろう。
自転車で楽しかったよ〜。走ったよ〜。
ドラマ面白かったよ〜。本読んだよ〜。
目的はなんだ。近況報告か。伝える力の向上か。

そんな時にアマゾンで見つけたのがこの本。
果たしてブロガーSORAC5の指針となるのか




著者はニュースサイトの編集者。


リアルな世界で充実している人はネットに依存する時間がない。
インターネットの世界で細々意見を言う人や、
こまめにブログを更新する人は暇人が多い。
一般の人のどうでもいい日常を書き連ね、
知らない人が何を食べ、何を頑張ろうが、
赤の他人にはどうでもいい。
ブログの話題はいつも流行りのスイーツか芸能人。
リアルで成功している人はわざわざブログを書く意味もない。


そして、ネットで流行るのはほとんどがテレビのネタ。
テレビは無難な内容を吟味して放送するので、
それを意見にしている限りは人は傷つけないし、
炎上も、荒されたりもしない。
そしてアクセス数はアップするから金になる。


だから著者は、
B級ネタを記事にしている限りネットでは流行るので、
仕事はそれだけを扱う。
売れるもんを売る。当たり前やね。


企業とネットの使い方について。
企業はネットの意見に期待してはいけない。
大衆に独自性はないので一般から企画などあてにしてはいけない。
ただ他人が欲しがるものがほしいのが我々一般人だから。
宣伝で使うならB級のネタに徹しろと言う。
エロであり、人の噂であり、大衆ネタがウケる。


世の中にインターネットが広がって10年以上経つが、
通信速度が速くなり画像レベルが上がっただけで、
使うのが人間である限り、そこから何か新しいものが生み出されたりはしない。
電話やFAXと同じで、技術的には既に確立しているので、
それと同じでインターネットもこれ以上進化しない。
情報収集と交換の手段でしかないことを認識するべき。


要求する側の価値を商品として提供し続ける。
著者はワイドショーネタを朝のみのもんたの番組から情報を集め、それを提供する。
売れる情報(商品)を仕入れ、それを売る。立派なもんだ。



結局、始めに知りたかったことはこの本では得られなかったが、
幻想のネット世界で意見をまくしたてても、現実の世界で意見し活動する人にはかなわない、
ということは納得した。


だが、ワイドショーに価値を求める著者の価値観では気付かないかもしれないが、真に利益を求めずに、意見や考えをネットで配信しようとする人が大勢いることを知っている。時に真面目に、時に命懸けで。それを受信する媒体は結局メディアであるという矛盾があることも知っている。ネットには多くの誘惑や障害がある。ネットの世界のみで自力で事実にたどり着くことは困難かもしれない。そして無責任にネットに接すれば無責任な答えにしか出会えないと思う。


周りの環境が独自意見を容認しないこともあるが、何とか日常のリアルな生活を送りながら、しっかり働きながら、それでいて無関心で居てはいけないことがある。バカだから、たまに地震のドキュメンタリーをみて思い出して「いかんいかん」と思っても、また次の日忘れてゲームして。暇人やから、チャリかゲームかえろネットか。


すぐ忘れてネットの快楽に身をゆだねる。