「地雷を踏んだらサヨウナラ」を読んで
ガンボジア内戦の最中、単独でアンコールワット入りを狙い、消息を断ったフリーカメラマン、一ノ瀬泰造さん。両親や友人との手紙や手記をまとめた本。
一ノ瀬さんは、なぜここまで一途にひたすらアンコールワットを目指したのか、アンコールワットの何を撮りたかったのか、分からない。もし地雷を踏んだらサヨウナラ、と言ってしまうその覚悟は、どれほどのものなのか。
ただ、一発の弾で簡単に死んでいく世界に、人生を投じる人がいたことを知った。26年を最短距離で完全燃焼した人生の結果は、写真を通して見ることができる。ガンボジアでの集大成となるはずの最後の一枚が見たい。